三陸鉄道で停車の列車 100日ぶりトンネル脱出
東日本大震災で復旧の見通しが立っていない岩手県沿岸の三陸鉄道(本社宮古市)南リアス線で、釜石市と大船渡市の境にある鍬台トンネル内(3907メートル)に震災後止まったままとなっていた列車が24日、約100日ぶりに搬出された。
吉浜駅から唐丹駅に向かっていた列車1両は震災で緊急停止。運転士の休石実さん(40)が乗客2人を誘導し、トンネル内を約1.4キロ歩いて避難した。
夏になるとトンネル内の湿度が上がり計器類が傷むことなどから搬出を決め、ゆがんだレールを補修。24日午前11時ごろから、列車が時速15キロ以下で自力走行し、警笛を鳴らしながらトンネルを出た。
この日も列車を運転した休石さんは「お客さんを乗せてこそ三陸鉄道。早く住民の足として復旧させたい」と話した。