日本人初の快挙走!福島、準決勝進出“夢に前進”
両手を突き上げ、ジャンプを繰り返した。あふれ出る喜びを、福島は体全体で表現した。スタンドには「がんばれ福島」の横断幕。知人が応援に来ていることを知り、さらに喜びをスタンドに向けた。「いいスタートが切れたので、いいリズムに乗れた。準決勝に行けてうれしい」。普段は冷静で知られる福島が、珍しく興奮を抑えきれなかった。
得意のロケットスタートが決まった。中盤まで第5レーンのバプティステ(トリニダード?トバゴ)と先頭争い。そのままスピードの低下を最小限に抑え、周りが全て黒人選手という状況ながら3番手以下を僅差で振り切って2着に入った。「(2つ)隣の(第5レーンの)選手がいい目標になった。いい感じで走れた」。会心のレースを弾む声で振り返った。
今大会から3ラウンド制に変わったため2次予選がなくなり、準決勝は2組16人から3組24人に枠が広がった。タイムとしては24人中21番目だが、着順による堂々の予選突破で、日本人女子としては初となる世界選手権での準決勝進出を果たした。もちろん、アジアの選手では唯一の突破だった。
08年北京五輪では日本人女子として、56年ぶりに同種目に出場。自身初の国際大会は極度の緊張から力を出せず、11秒74で1次予選敗退に終わった。その夜には、母の玲子さんに泣きながら電話をかけ、雪辱を誓った。だが、09年ベルリン大会は0?03秒差で2次予選敗退。心技体を全て鍛え直す――福島の新たな挑戦がスタートした。
ベルリン大会後、4?5キロある特製のジャケットを着て走るハードメニューに取り組んだ。チームの中村監督に「あんまりやり過ぎるな」と止められることもあったが、世界との差は努力で埋めるしかないと自らに言い聞かせた。そして、その努力がリベンジの舞台?大邱での快挙につながった。「緊張はしていたが、いい緊張感だった。凄く緊張はしなかった」。これまでの国際大会での経験が福島の精神力をも強じんなものにしていた。
ベルリン大会での2次予選進出も快挙ではあったが、福島は2年前との比較に「どっちもうれしいけど、きょうもうれしい」とはにかんだ。そして「小さな一歩がもう一つ増えたら、大きくなります」と、独特の福島語でさらなる快挙を自らに期待した。29日の準決勝は「未知の世界なので楽しみたい」と話しつつも、貪欲に夢のファイナル進出を狙う。“アジアの福島”から“世界の福島”へ。その時は確実に近づいている。
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