遼くん 「コースの思うツボ」…119位発進
最終18番もボギーで終え、石川は無表情でボールを拾い上げた。ラウンド終盤は口を真一文字に結び、ショットを打ってもパットを打っても、すぐに諦めたように歩きだした。悔しさや怒りはもはや通り越していた。「打った瞬間にボールを見送ってもしょうがないようなショットが14番から続いた。国内メジャーの初日にこういうスタートはしたくなかった」
深いラフに加えて雨が降りしきり、アンダーパーは3人だけ。難コンディションだったのは確かだが、それも言い訳にはできなかった。前半は先週に続いてパットが足を引っ張り、3パットを繰り返した。スコアは2オーバーと粘っていたものの、後半には自己ワーストの45と大崩れした。
「14番はティーショットが凄く難しいので、ドライバーを振り切れずに置きにいってしまった。コースの思うツボだった」。思い切りを失ったスイングで左OBとなり、6オン2パットで痛恨の8打を叩いた。続く15番パー5では「思い切って振ったけどスイング自体が悪かった」と隣のホールまで大曲げしてボギー。17番では2打目を池に落とし、再び3パットのトリプルボギーと目を覆いたくなるようなプレーの連続だった。
全米オープンや全英オープンを見据え、今週は0Iでのティーショットを増やした“副作用”もあった。「他のクラブでティーショットを打った後のドライバーは注意しないといけない部分だった」。12番パー4は0Iで刻んで、13番はパー3のために7Iを使用。その直後の14番で1Wをミスすると、スイングを見失って修正が利かなくなった。海外メジャーを見据えた取り組みが国内メジャーでは完全に裏目。「難しいコースなのでカットラインはまだ分からない」とは言うものの、優勝は雨の向こうに遠くかすみ、予選通過も厳しい状況に追い込まれた。
?アマ時代には85叩く?石川の83ストロークは国内ツアーではプロ転向後のワーストとなった。これまでは08年のサン?クロレラクラシック第3日の82。海外では昨年の米ツアー、トランジションズ選手権第1日で83がある。アマチュア時代には07年のブリヂストン招待第2日に86を叩いている。