盗聴廃刊の英日曜紙 最後の紙面 「ありがとう＆さようなら」
記者らによる盗聴事件で廃刊が決まった英日曜大衆紙「ニューズ?オブ?ザ?ワールド」（電子版）は９日、「ありがとう＆さようなら」と読者へのメッセージを大きく掲載した。これが最後の発行となる１０日付紙面の一面になる見通しで、１６８年の歴史を持つ有力紙の歴史に幕が下ろされる。
メッセージの背景には同紙が過去に報じた数々の特ダネ紙面が並べられ、「１６８年の歴史の後、悲しいことだが、誇りを胸に読者に別れを告げたい」と付け加えた。最後の紙面は普段の発行部数の約２倍の約５００万部を印刷する。
ワールド紙のこれまでの発表によると、一般広告は掲載せず、慈善団体などの広告を無料で掲載、売り上げ代金も慈善団体などに寄付する方針。
９日夜は最後の作業を終えた編集者らが、会社前に集まった報道陣にあいさつ。「残念な結果だが、素晴らしいチームだった」と仲間の労をねぎらった。
事件ではロンドン警視庁が８日、２００３年から０７年にかけて同紙編集長を務めたクルソン容疑者を逮捕。同容疑者が今年１月までキャメロン英首相の側近としてメディア戦略を担当していたことから、首相の政治責任を問う声も出ている。（共同）