遼 腰痛も…首位と5打差15位と好発進
鬼門の出だしでリズムをつくった。変則的なホール順の今大会。石川はスタートの9番で残り160ヤードの第2打をPWで打った。「30ヤードは転がる」という計算通り、花道に落ちたボールは転がってピンそば50センチにピタリ。幸先いいバーディーで、自身3度目の全米オープンが幕を開けた。
「ラフに入るとどれくらい転がるか計算しないといけない。その辺りを気を付けた」
ここまでの遠征3試合は初日のスタートホールでダブルボギー、ボギー、ボギーと全てつまずいた。今回はバーディーを奪ってスロースターターを返上すると、その後は冷静さが光った。ラフからだとスピンが利きにくく、グリーンは「コン」というボールの落下音が聞こえるほど硬く止まりにくい。そこで、ラフに入れた場合は9番と同様に手前から攻めることを徹底した。
難度1位の1番は右ラフから残り217ヤードの第2打を8Iで打ち、花道を使って2オン2パットのパーを拾った。「残り距離の数字に惑わされなかった」。終盤に2つ落として1オーバーで終えたが、2ボギーは許容範囲。他の日本勢が崩れる中で存在感を示し「このコースの難しさを感じたのは最後の何ホールかだけ」と、頼もしかった。
5月の日本プロ選手権から抱える疲労性の腰痛。父?勝美さんによると、とおとうみ浜松オープンは出場すら迷ったという。遠征4試合目の今週は腰から背中にかけて張りが目立ち、トレーナーから連日、強制的に整体治療を受けている。満身創痍(そうい)ながら「自分でも分かってきた」と練習量をうまくペース配分。メジャーの初日にしっかり合わせてきた。
ファウラーには18番で強烈なバックスピンで50センチにつけるスーパーショットを見せつけられた。ジョンソンには飛距離の差を痛感させられた。だが、冷静さは失わずに、72のファウラー、75のジョンソンを抑えた。「きょうの状態ならもう少し伸ばせた」。メジャーの初日では、10年の全米オープンの4位に次ぐ好発進だったが、石川はさらに上を見据えていた。