さむらいジャパン五輪前進!格上の南アとドロー
3―2とリードして試合終了まで残り数秒だった。さむらいジャパンはサークル内で反則を犯し、ペナルティーコーナー(PC)から痛恨の同点ゴールを許した。五輪出場権を争う南アフリカとの1次リーグでの“前哨戦”。セットプレーの守備にもろさをのぞかせたものの、最低限の引き分けで終えたことで、決勝進出に一歩前進した。
今大会の参加6カ国中、世界ランク12位の南アフリカは、同15位のさむらいジャパンを唯一上回る相手。だが、攻撃では格上相手に主導権を握った。前半25分、PCのこぼれ球に主将の川上(名古屋フラーテル)が詰めて先制。後半7分、18分にも追いすがる相手を突き放すゴールを挙げた。あと一歩で勝利を逃したが、川上は「やりたいことはできた。悲観する内容ではない」と強気の姿勢を崩さなかった。
姜建旭監督は「勝てた試合だった」と唇をかんだが、その一方で課題ものぞいた。相手がなりふり構わずボールを放り込んできた終盤は完全に受けに回ってしまった。後半だけで5つのPCを与え、そこから2失点。PCから繰り出される相手の強烈なシュートに対応できなかった。
4日の中国戦に敗れても、南アフリカがオーストリアに敗れた場合は五輪出場権が懸かる決勝進出の可能性もある。その場合は中国との決勝となるが、中国戦で引き分け以上なら南アフリカとの再戦となるのが濃厚だ。ここで浮かび上がった課題をどう修正するか。川上は「どれだけサークルの外でプレッシャーをかけられるか」をポイントに挙げた。
▽ホッケー世界最終予選の試合方式 出場6カ国が総当たりで1次リーグを行い、上位2チームが決勝へ。決勝の勝者がロンドン五輪出場権を獲得する。男子の参加チームは世界ランク12位の南アフリカ、17位の中国、21位のオーストリア、23位のチェコ、42位のブラジルと15位の日本。日本男子は68年メキシコ大会を最後に五輪出場を果たしていないが、32年ロサンゼルスでは銀メダルを獲得した実績がある。