東海大甲府8年ぶり8強!2年生?渡辺、走攻守で魅せた
決勝点は渡辺の足で呼び込んだ。敬遠で一塁に歩かされて訪れた2―2の7回1死一、三塁の好機。カウント2ボールとなった場面で、村中秀人監督がエンドランを仕掛けた。打球は遊ゴロ。遊撃手の山岡はスタートを切っていた渡辺の二塁封殺を諦め、一塁に転送する間に三塁走者の神原が生還。渡辺はがら空きとなった三塁を一気に陥れた。「2ボールからなら必ずストライクが来ると思った」と指揮官。50メートル走6秒1を誇る渡辺が一塁にいたからこそ、併殺を防ぐために仕掛けることができた作戦で、機動力を最大限に生かした。
渡辺は0―2の5回2死一、二塁では中越えへ貴重な2点適時三塁打。今大会は2回戦の龍谷大平安戦で本塁打を放つなど打率?455と大当たりで、昨秋のドラフト1位で中日入りした高橋周を押しのけ、昨夏の山梨大会で1年生4番を務めた実力を存分に発揮した。また遊撃の守備でも2回1死一塁からエンドランを仕掛けられたが、素早く遊ゴロをさばき併殺を完成させた。
「目標は8年前(04年)の4強以上が目標なので、まだ通過点です」。きっぱりとそう言い切る2年生が、東海大甲府の躍進の原動力となる。