マードック氏 殺人被害の少女への盗聴で遺族に謝罪
英日曜紙ニューズ?オブ?ザ?ワールド(廃刊)による盗聴事件で、同紙を傘下に置いていた米ニューズ?コーポレーションのルパート?マードック会長が15日、ロンドン中心部のホテルで、同紙が電話を盗聴していた誘拐殺人事件の被害者少女ミリー?ダウラーさん=当時(13)=の両親らと会い、謝罪した。
また、マードック氏は16日付の英主要全国紙に「大変申し訳ありません」との謝罪広告を掲載。広告は同氏の個人名で「もっと迅速に対処しなかったことを後悔している」とした上で「近日中に問題解決のためのさらなる対策を講じる」としている。
ダウラーさんは4千人以上とみられる盗聴被害者の中でも象徴的な存在で、同紙が廃刊に追い込まれるきっかけとなった。マードック氏には、直接謝罪することで批判をかわす狙いもあるとみられる。
ダウラーさんの両親の弁護士によると、会談はマードック氏側から要請があり、同氏は「こんなことはあってはならなかった」と何度も謝罪。両親は「(同氏の系列の新聞は)誠意と良識を持って報道してほしい」と求めた。
ダウラーさんは2002年3月に誘拐され、半年後に遺体で見つかった。ダウラーさんが行方不明になった後、同紙が携帯電話の留守番電話を勝手に操作したため、生存しているとの期待を両親らに抱かせたとされる。(共同)