京大受験の理由は学費が安いから…「母親を安心させたかった」
京都大など4大学の入試問題がインターネットの質問サイト「ヤフー知恵袋」に投稿された事件で、偽計業務妨害容疑で逮捕された仙台市の男子予備校生(19)が、京大を受験した理由について「学費が安く、母親を安心させたかった」と供述していることが5日、京都府警への取材で分かった。
関係者によると、予備校生は山形県出身で、祖父母と両親の計5人で同居していたが、高校3年だった2009年12月に父親が死去。卒業後は仙台市の予備校の寮に1人で住んでいた。
予備校生は京大の入試前にすでに一部の私立大に合格していたが、府警は、母親の経済的負担を減らそうとしたことが投稿につながったとみて、詳しい動機を調べる。
予備校生は京大のほかに、同志社、早稲田、立教の3大学の入試でも投稿を認めている。このうち1大学は、不合格だったにもかかわらず、予備校内で「合格者」として氏名が掲示されていたことが判明。入試での失敗を周囲に知られないようにするため「合格」と偽って自己申告した可能性がある。
府警が京大入試の答案と、サイトに寄せられた回答を比較したところ、英語の答案に類似点があることも判明。ネット掲示板「2ちゃんねる」の書き込みで投稿の手口を思い付いたと話しているという。
府警によると、予備校生は2月25、26日にあった京大入試の文系数学と英語で、「自分の席で携帯電話を脚の間に隠し、すべて左手で問題文を打ち込んだ」と供述。サイトに寄せられた回答を、右手で答案用紙に書き写したとみられる。
府警は実際の試験会場で予備校生を立ち会わせて実況見分をし、試験官から死角になっていなかったかなどを調べる方針。
府警は5日午前、予備校生を同容疑で京都地検に送検した。