10年度の補正予算は困難…震災対策、当面は予備費活用
野田佳彦財務相は12日、財務省で記者会見し、東日本大震災の被害に対応する財政措置について、当面は被災者の救助活動を優先するため、2010年度予算の予備費の残り2038億円を活用する方針を示した。
与野党は震災対策を盛り込んだ補正予算の編成が必要との認識で一致したが、財務相は「少なくとも年度内は無理だ」と述べ、11年度補正になるとの認識を表明。その上で「現実的にすぐ活用できるのは予備費だ」と強調した。
震災対策の財源について野党側には、3月内に10年度の第2次補正予算を成立させるよう迫る意見が強い。震災対応に協力する姿勢を見せながら、引き続き予算関連法案などで攻撃の手を緩めない構えだ。
一方で政府、与党は震災への対応を優先することで局面を打開するのが狙いで、11年度補正予算の編成の前提となる11年度予算案と、成立が危ぶまれている予算関連法案の同時成立を野党に求める姿勢だ。
震災対策の規模については現時点では見通しが立っていないが、1995年1月に起きた阪神大震災では、94、95年度に補正予算を3回にわたって編成し、計3兆2298億円の復興関連費用を計上した。