ＪＯＣ、五輪招致で一安心 北朝鮮代表団来日は政治問題化せず
１４日のアジア?オリンピック評議会（ＯＣＡ）総会に出席するため日本政府の「特例措置」で入国した北朝鮮代表団が１５日、離日した。拉致、核問題などへの制裁として往来を原則禁じている北朝鮮当局者の来日でトラブルが懸念されたが、政治問題化せずに終わり、２０２０年夏季五輪招致の正式表明を控える日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）は一安心した。
ＪＯＣは１２日に始まった一連の国際会議や式典に国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のロゲ会長らを招き、東京都の五輪再挑戦への意欲を世界に示す舞台と位置付けた。「政治とスポーツの分離」を原則とする国際スポーツ行事の場で、北朝鮮が日本政府の対応を声高に批判したり、逆に入国に反対する国内団体の抗議行動などが起きれば、五輪招致を前に日本のイメージに傷が付く可能性もあった。
ＪＯＣの市原則之専務理事は「五輪運動の観点からも、今回は来日してもらうことが重要だった」と話し、無事に総会を乗り切りほっとした表情だった。
北朝鮮の張雄ＩＯＣ委員は、スポーツ外交に通じた経験豊富な委員らしく、日本政府の制裁措置については「日本の政治家は考えを変えるべきだ」と批判しながらも「日本のスポーツ界やＪＯＣには責任がない」と巧みに切り分け、ＪＯＣに配慮した。
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