遼くん今季初首位!ぶれない心と1Wで攻めた!
狭いフェアウエーの左右にバンカーがある340ヤードの4番パー4。石川はためらうことなく1Wを握った。こん身の力で振り抜くと300ヤード付近の左ラフにまで飛んだ。残り40ヤードからピン手前3メートルにつけこの日、2つ目のバーディー。333ヤードの12番パー4でも、パーに終わったが、1Wを使った。そこには揺るぎない信念があった。
「去年は4番は毎日2Iで、12番は毎日3Iを使っていた。(バーディーを狙うのに)ドライバーを打っても得するわけじゃないけど、狭いロケーションでの精度が要求される。そこで打つことで良い練習になる」。首位に立ちながら、他の選手が聞いたらうらやむような「練習」という言葉。それは「マスターズで勝つこと。そこに全てがつながっている」という究極の目標を掲げているからこそだった。
前戦のコカ?コーラ東海クラシックを27位で終え、自宅に戻った時に「今季は勘違いしていた。(初めて予選を通過した)4月のマスターズが終わってから妥協というか、ダレていた。もっと練習できたと思うし、もったいなかった」と無駄に過ごした日々を悔やんだ。練習に打ち込むことを決め、目先の成績を求めるのではなく、夢実現のため武器の1Wを磨くことを誓った。
だからこそ67の好スコアにも、後半からフェアウエーへ無意識に置きにいったショットが出始めたことを反省した。フェアウエーキープも6度で「良いプレーをした実感はない。自分の中ではまだまだ」。賞金ランク首位のベ?サンムンが予選落ちし、今季初めて首位に立ったことで、最年少20歳でのツアー10勝と4年連続獲得賞金1億円に期待が高まるが、「今この位置にいるのが不思議。優勝したいというガツガツした気持ちはない」
ただ、08年のマイナビABCのようにスイングに集中しプロ初勝利をつかんだ経験もある。「どんなに球が曲がっても死ぬわけじゃない。結果が全てじゃない」。今の石川には無心ゆえのぶれない強さが出てきている。
?第2日首位は5試合中2度V?石川がラウンドを終えて首位に立つのは、優勝した昨年11月の三井住友VISA太平洋の最終日以来、およそ1年ぶり。また、第2日時点で首位に立ったのは過去5試合あり、優勝は09年のサン?クロレラ、同フジサンケイの2回。なお、今回同様に第1日が2位、第2日が1位の試合は2度あるが、いずれも優勝していない。