被災地の中高生、勇気もらった「自分も頑張らないと」
なでしこの快挙が被災地復興のカンフル剤になりそうだ。
優勝決定後、岩手県立高田高校ソフトボール部キャプテンの小田理沙さん(17)=2年=は「震災でへこんでいるところだったけど、女性の活躍を聞けてうれしい」と興奮気味に話した。
陸前高田市にあった校舎は津波で被災。大船渡市の廃校に間借りしており、内陸の親族宅から片道1時間半かけて通学している。「自分も秋の新人戦に向け頑張らないと」と決意を新たにしていた。
同部の新沼あいさん(17)=2年=は、先制されても追いつく姿に「諦めない気持ちと勇気をもらった。震災があっても前向きにやっていこうという気持ちになった」と弾んだ声で話した。
イレブンは準々決勝のドイツ戦前、全体ミーティングで被災地の映像を見た。全員で涙を流すと、佐々木則夫監督に「われわれのプレーは被災者の方々の力になる」と語りかけられ、熱い思いを心に抱いた。必死のプレーで、過去未勝利だったドイツを初めて撃破。被災地への思いは、その後も快進撃の原動力になり、ついには初優勝まで成し遂げた。
宮城県気仙沼市の自宅が被災し、市内のアパートに移り住んだ中学3年の佐々木洋佑君(15)は「津波で被害を受けた町に、物凄い元気をくれた」と目を輝かせた。同市で仮設住宅住まいの60代の女性は「しょげ返っていたところで勇気をもらった。これで仮設住宅地も明るい雰囲気になると思う」と感激していた。