韓国撃破で主役奪回!槙野“オレ流”SB任せろ
日本中が注目する宿命のライバル、韓国との一戦を前に、誰よりも闘争心を燃やしていたのがDF槙野だった。「なでしこジャパンにメディア(の関心)を持っていかれているというのは僕的にあれ(我慢できない状態)なんですよね。沢(穂希)、丸山(桂里奈)が何ですか。サッカーと言えば槙野っすよ」とまくし立てた。
自他ともに認める目立ちたがり屋。もちろん、なでしこジャパンが女子W杯を制したことは「リスペクトしている」と言う。だがドイツでも逐一、日本のメディアをチェックする男はあまりのフィーバーぶりに嫉妬心を抑えきれなくなっていた。注目度の高い韓国戦はある意味、ファンの目を「なでしこジャパン」から「ザックジャパン」に呼び戻す大チャンスととらえている。
左SBの絶対的存在だったDF長友が右肩脱臼で離脱したため、韓国戦ではその代役の座を駒野と争う。「チャンスと言えばチャンスっす」。その上で「彼(長友)の良さは、上下動と攻撃の部分。自分は攻撃のアクセントとなるパスだったり、しっかりとした守備をアピールしたい」と長友にはない槙野自身の良さをピッチ上でアピールする考えを明かした。
この日の練習前に行われた韓国対策についてのミーティングでは、DF車ドゥリ(セルティック)のいる左サイドが要注意ポイントとして挙げられた。「サイドでの数的優位をつくって対応したい」と槙野。ザッケローニ監督が警戒する左サイドを止めれば、9月に幕を開けるW杯3次予選に向け、“長友の穴”を埋める存在として認められることにもなる。
左親指の爪には「日の丸」を、右親指の爪には「3」をネイルでデザインした。4日に亡くなった元日本代表DF松田直樹さんへの追悼の意も込めて立つ、重要な韓国戦のピッチ。槙野が千載一遇のチャンスをものにして、14年W杯ブラジル大会への道を自ら切り開く。