山本昌11イニング無失点 3戦目任せろ
納得のいかない状態でも、最低限の結果は出す。山本昌が存分に存在感を披露した。
「調子は悪かったけど、こういう日もある。今まで何百回も経験してきたし、その中でも何とか試合をつくっていかないといけないので」
2回無失点。衰えを知らない46歳が10年ぶり開幕カード登板に向け、順調に調整を進めた。
熟練の技だった。直球の最速は132キロ。だが最も遅い106キロのカーブをはじめ、多彩な変化球を織り交ぜ、直球を速く見せた。ベストメンバーの西武打線に2安打は許したが、オープン戦の無失点イニングを11回にまで伸ばし登板を終えた。
「今までが順調に来たので、こういう時があって、いい感じかな。流れ的には、ね」
豊富な経験があるからこそ、不本意な内容もプラス思考で受け止めた。
感謝の気持ちを胸に、4月1日?広島戦のマウンドに立つ。今年1月、高木監督から開幕投手候補に挙げられた。3月上旬に3戦目の登板を指揮官から伝えられたが“その気”になったことが、結果的にハイペースかつ順調なここまでの調整につながった。
「吉見が適任。悔しいも残念も、ホッとしたというのもないです。最初から使っていただけるのが光栄だし、開幕カードを与えてもらったことの方が嬉しい」
史上最年長開幕投手は逃したが、すがすがしい表情だった。
今後はオープン戦最終戦となる25日の楽天戦(ナゴヤドーム)で6回100球をメドに登板。中6日で開幕3戦目に向かう。
「1年、ケガなく頑張ることが大事。その下地を次の1試合でつくりたい」
29回目のシーズン。46歳の挑戦が、まもなく幕を開ける。