2倍のご祝儀相場で復興目指す 塩釜で震災初のマグロ水揚げ
宮城県塩釜市の塩釜漁港に14日早朝、マグロはえ縄漁船「第18宝陽丸」(大分県津久見市)が入港し、マグロなど約17トンを水揚げした。
宮城県によると、同県内の漁港の水揚げは東日本大震災後初めて。直後の競りでは、通常の2倍近いご祝儀相場の値が付くマグロもあった。
午前5時半ごろ、快晴の港に宝陽丸が到着、メバチやビンチョウなど大小数百匹のマグロが次々と市場に揚げられた。太平洋上で震災を知ったという船長の高司時男さん(62)は「30年近く拠点にしていた港。再開できて本当にうれしい」と笑顔で話した。
塩釜魚市場も岸壁や荷さばき場に亀裂が入るなどの被害があったが、応急処置で14日から一部の使用が可能に。高司さんは再開に合わせ、マリアナ諸島沖での操業を切り上げてきたという。
直後の競りは30分足らずで終了。最高値は65?8キロのメバチマグロで1キロ5800円が付いた。関係者によると、通常なら3000円程度という。同市場の志賀直哉社長(63)は「ご祝儀相場だ。塩釜が先陣を切って、水産業の復興を目指したい」と意気込んでいた。