有村、復調アピール!“脱?完璧主義”で首位発進
頭で考えるよりも先に体が動きだす。フェードボールでフェアウエーを捉え、ショートアイアンでピンに絡めていく。そんな有村らしいゴルフがよみがえってきた。
1番は第1打を林に入れてボギーとしたが、3番のバーディーで取り返すと、8番では7メートルを決めた。後半は15番から3連続バーディーで首位に立った。「いい時の自分に戻ってきた感触があった。ショットが本当に良くなってきて、イメージも良くなってきている」
昨年左手首を痛めた影響で今季は調整が約1カ月遅れ、開幕4戦目のヤマハ?レディースでシーズン初戦を迎えた。そこから3試合は予選落ち、5位、8位。悪い数字ではないが、調子と成績がかみ合わなかった。
抜け出すきっかけとなったのは試合を休んだ先週。いろんな本を読んだり、米ツアーで優勝した宮里藍の言葉を聞いて気づいた。「いい人のゴルフは、常に次のことに集中している。いかに“今の自分にできる最大限のことに集中できるか”が大事だと思った」
「完璧を求め過ぎるあまりに」及第点のショットでも自分にダメ出しし、次のプレーにもそれを引きずっていたのがこれまでの有村。しかしスイングやコースマネジメントを変えなくとも、考え方一つでゴルフは変わる。“脱?完璧主義”を実践してみると効果はてきめん。「チャンスがたくさんあった分、バーディーパットにも余裕があった」とこの日最多の7バーディーにつながった。
考え方以外で唯一変えたのは1Wだ。「最近は右に曲げるミスが目立っていて、アイアンとドライバーのバランスが合っていないと実感していた」。約3年間使ったヘッド(Xドライブ701R)を新しいもの(同707)に替え、シャフトも変更した。1Wもアイアンも同じスイングで振り抜けるようになった。
手首には痛みもなく、昨季はぐるぐる巻きだったテーピングもない。「勝手に体がいい動きをしてくれるようになってきたし、手応えは感じている」。完全復活のための最後の1ピース。あとは優勝という結果しかない。