福島第1原発、3号機の照明点灯…中央制御室が復旧へ
東日本大震災による福島第1原発事故で、東京電力は22日、外部からの電力によって3号機の中央制御室の照明が点灯したことを明らかにした。3、4号機の制御室の計器類などの機能復旧にめどが付き、4号機は給水ポンプの復旧作業も最終段階を迎えている。1~6号機の6基すべてに外部電源が接続し、電力供給が可能になった。
第1原発1~4号機は、地震や津波で原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能を喪失。放射性物質の大量放出など危機が続いているが、安全性回復への一歩を踏み出した。
東電の武藤栄副社長は「状況はいいように行くと思っているが、十分に安定したというのはまだ早い」と述べた。
第1原発では、1~3号機で原子炉の冷却機能が、1~4号機で燃料プールの冷却機能が失われた。中央制御室が機能を取り戻せば、原子炉の水位や圧力、放射線量などの測定が可能になる。東電はその後、原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能回復に向け、具体的な対策を練る方針だ。
東電によると、敷地内の高台にあり、1~6号機とつながる水タンクが無事と判明。このタンクの水を4号機で使うための作業を進めた。
東電は、原発のさまざまな機器や配線について、電気が流れた際に正常に使えるかどうかの点検を進めているが、津波で浸水した機器も少なくないことから、時間がかかる可能性がある。
22日午後には東京消防庁と大阪市消防局が3号機のプールに、東電が生コン圧送機を使って4号機のプールに放水した。
毎日実施することになった自衛隊のヘリコプターによる原発上空からの温度測定は、雨天のため実施しなかった。
2、3号機は21日午後に煙が上がったため、東電は復旧作業をいったん中断。22日朝、再開した。22日午前中にも白い煙のようなものが上がったが、作業には影響しなかった。